■残念ながら久保は見せ場を作れず…

 消耗しながらもいつも以上の守備と積極さを見せた久保だったが、劣勢の中で何を見せられるか、ということについては期待外れに終わってしまった。パス成功率は56%と低く、それには左サイドでのプレーだったことも影響があるものの、右でのプレーならばより良かっただろうとはならない。

 その理由は、なぜ左で起用されたのか、というところにある通りだ。強度の高い試合では時間とともにパフォーマンスが落ち、左だったから精度を欠いた場面でもピンチに直結しなかった、というのが正しいだろう。

 また、強いチームの中にいればこういう状況でプレーすることはない、というのは間違いだ。この日のマジョルカがそうであったように、格下は退場以外はOKという姿勢で必死に守ってくる。あるいは、チャンピオンズリーグではこの試合以上にソリッドな展開になる。

 来季はレアルに戻れるかもしれない、という報道が現地でも増えてきた久保だが、レアルに戻った後でポジションを得るには、苦しい中で輝けるところをアピールすることは欠かせない。この日、直接のアピールは失敗に終わってしまった。残りのシーズンで自分の力を見せつけ続けるしかない。

 

■試合結果

マジョルカ 0―3 レアル・マドリード

■得点

55分 ヴィニシウス・ジュニオール(レアル)

77分 カリム・ベンゼマ(レアル)

82分 カリム・ベンゼマ(レアル)

 

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