■3.12の岩手戦は2年分の「負の記憶」を払拭する一戦に
今季13年ぶりにJ2リーグを戦うベガルタ仙台。シーズン開幕戦は、アルビレックス新潟と0対0で引き分けた。水戸ホーリーホックとの第2節でシーズン初勝利を収め、第3節ではザスパクサツ群馬と0対0で引き分けた。
3戦負けなしである。悪くはない。ただ、強さを見せつけるには至っていない。
それだけに、3月12日のいわてグルージャ盛岡戦は重要な意味を持っていた。
「3.11」の翌日に行なわれるリーグ戦は、ベガルタにとってそもそも特別である。被災地や被災者の方々への思いを、ピッチ上で示す一戦だ。
違う角度からこの試合の意味を問えば、勝ち切らなければいけない試合だった。
対戦相手の岩手は、J3からの昇格組ながら2勝1敗と白星先行でユアスタに乗り込んできた。元日本代表DFの秋田豊監督は粘り強いディフェンスをチームに植えつけ、リスタートを効果的に生かす戦略で対戦相手を悩ませている。
簡単な相手ではない。だが、「1年で這い上がりJ1に復帰する」(原崎政人監督)という目標を達成するためには、ホームゲームで確実に勝点3を取っていく必要がある。20年は7分10敗、21年も3勝6分10敗と苦しんだホームでは、22年も新潟戦、群馬戦と2戦連続でドローゲームを演じている。少しでも早く勝利をつかむことで、2年分の負のイメージを払拭したかっただろう。