【ラ・リーガ分析】マジョルカと久保建英「改善の余地しかない」問題点とは?【サッカー日本代表・マジョルカ久保建英「今シーズンベスト」の活躍】(2)の画像
カディス戦でのマジョルカ・久保建英 写真:なかしまだいすけ/アフロ

【ラ・リーガ マジョルカvsカディス 2022年2月5日(日本時間24:15キックオフ)】

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 ゴールとアシストは記録されなかった久保建英だが、この試合では積極的な姿勢で戦いを挑み、キーパス4本、デュエル勝率9割(9/10)という圧巻のパフォーマンスを披露した。

 それがゴールに繋がってもいる。同点になった場面でムリキに繋いだ際、久保は寄せてきたディフェンダーに対してヘディングで先んじてみせた。

 また、逆転後には、ゴールキーパーのセルヒオ・リコのファンブルで突然大ピンチとなった場面でこぼれ球をキープしてみせたり、寄せてきたディフェンダーに対してボールを浮かせて突破してファウルを誘発したりと、フィジカルを使うプレーを終盤でも披露。89分にお役御免となるまで、いつも以上に走り、いつも以上に積極さを見せた。

 その一因に、マジョルカの戦い方の変化がある。4-2-3-1を基本陣形とするチームだが、この試合では4-4-2の形になる場面があり、久保はインサイドに入って漂うよりも右サイドに大きく開いてライン際に張り付くことが多くなった。わかりやすい位置にいることが増えたことで、チームメイトに使われやすくなり、守備に切り替わった時にも役割が明確になったため、運動量が増えることになった。

 動き方が単純化したことで、1試合を通じてならば今シーズン最高のパフォーマンスを見せた久保だが、まだ問題も残っている。

 特に、右サイドでコンビを組んだパブロ・マフェオとの連携は改善の余地しかない。

 マフェオから久保には全くパスが出てこないままで終わってしまった。マフェオがボールを持つと久保はオフザボールの動きとしてディフェンダーを引っ張ってバランスを崩そうとし、マフェオはそれによって空いた場所へと進む。というところまでは成立するものの、その先はマフェオが突っ込んで終わってしまうことしかなかった。

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