【アジア・サッカー考察】「トップファイブ」がアジアのレベルを引き上げる最終予選改善案【ワールドカップ予選改善の必要性】(3)の画像
高いレベルを保つには、真剣勝負の場が求められる 撮影:中地拓也

 日本代表は、今年11月に開幕するカタール・ワールドカップ出場に向かって前進している。2月2日のサウジアラビア代表戦にも勝利して自動出場圏内の2位につけているが、問題もある。ワールドカップでいかに戦うか、だ。
 もちろん上位進出は日本代表次第だが、力を高めるには日々の切磋琢磨が欠かせない。アジア全体で取り組むべき課題を、サッカージャーナリスト・後藤健生が考察する。

■日本が台頭して生まれた「トップファイブ」

 アジアのトップファイブと言うのは、日本のほかに韓国、オーストラリア、イラン、サウジアラビアの5か国のことだ。

 1990年代の初めに日本でJリーグが発足したことで、日本のサッカーが急速に台頭したことによって、アジアでは「4強体制」が確立された。

 いわゆる「ドーハの悲劇」で知られるアメリカ・ワールドカップ最終予選ではサウジアラビアが1位、韓国が2位でワールドカップ出場を決め、日本は3位で涙を呑んだ。ちなみに、この大会ではイラクが4位でイランが5位だった。

 その4年後、2組に分かれて戦った最終予選でも、やはりA組のサウジアラビアとB組では韓国がそれぞれ首位で予選を突破。日本は第3代表決定戦に勝って、4年前のドーハと同じ3位だったが、この大会からアジア枠が3.5に拡大されていたためワールドカップ初出場を果たすことができた。ちなみに、4位となったイランは当時オセアニア連盟に所属していたオーストラリアとプレーオフを戦い、2引き分けの末、アウェーゴールの差でフランス本大会に駒を進めた。

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