■気持ちのこもっていた酒井の縦パス

――前回のサウジアラビア戦は出場停止で、相手もあの速さに驚いたのかもしれません。

大住「13番の左サイドバック、ヤシル・アルシャハラニはサウジアラビアの攻撃のすごく大きなポイントで、そこが攻撃的に出ていく背後を伊東が突く、というイメージはあったんだけど、その29分のチャンスも先制点の場面での伊東の突破も、13番が攻めに出ていて空いていたわけじゃないんだよね。しっかり伊東についていたんだけど、それを破って突破されて、サウジアラビアとしては結構ショックが大きかったんじゃないかな」

後藤「サウジアラビアは13番の前にキャプテンの10番(サレム・アルドサリ)がいるから、向こうの左サイドはすごく強力なわけだよね。それに対する日本の右サイドが、伊東と酒井宏樹。酒井は中国戦ではあまり調子が良くないんじゃないかと言っていたけど、今回は素晴らしかったよね。相手の攻めの一番のポイントをきっちり抑えていた。お互いのストロングポイントがぶつかり合うところで勝てた、というのが素晴らしかった。酒井はそれだけじゃなくて、先制点の場面で伊東に出した縦パスだよね。正確で速いグラウンダーのパス。この試合の酒井は素晴らしかった」

大住「何となく、のパスじゃないもんね。こういうプレーをするぞ、というパスだからね。気持ちもこもっていたしね」

後藤「あの得点の場面では、遠藤航が伊東につけたところから、30メートルくらいの長いパスがポンポンポンと通る素晴らしいプレーが続いた。大住さんは29分の伊東純也のプレーが流れを変えたと話されたけど、その直前に酒井宏樹が縦に突破した場面があったでしょ。あの辺りからずっとチャンスが続いていったわけだから、酒井は素晴らしかったね。向こうの左サイドも、13番が上がるとキャプテンの10番が下がってカバーしたりと、すごくうまくプレーできていたんだよね。そこで日本が上回ったかは分からないけど、そこで勝負をつけたというのは素晴らしかった」

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