■激動の時代にはいりつつある世界のクラブサッカー

 東アジアのサッカーの強国同士というだけでなく、政治的にも社会的にも、ときに緊張関係さえ生まれる日韓、あるいは3か国の強豪チームが、レギュラーベースで戦う「スーパーリーグ」が興味や興奮を呼ばないはずがない。この企画の放映権が高く売れると判断する人がいたら、さまざまなシナリオで日韓あるいは3か国のサッカー関係者を説くだろう。

 こんなことは「夢物語」だと思うだろうか。私はそうは思わない。これから2030年までの8年間で、「ベネリーガ」だけでなく、「欧州スーパーリーグ」が誕生している可能性は十分ある。世界のクラブサッカーは激動の時代にはいりつつある。欧州に対抗するために、実現するかどうかは別にして、南米のブラジルとアルゼンチンで新リーグの結成に向けた動きが始まらないはずがない。アジアでは、西アジアで「ガルフリーグ」が、東南アジアで「ASEANリーグ」が構想されるだろう。東アジアがその波に巻き込まれないと、誰がいえるだろうか。

 賛成するにしろ反対するにしろ、これからの日本のサッカーをどうするか、Jリーグをどうするか。私たちは明確なビジョンと信念をもっていなければならない。それは、2020年代、クラブサッカー激変の時代を生きる者に課せられた義務に違いない。

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