■レギュレーションを複雑にする独特のルール

 では、各地域リーグ優勝チーム以外の3チームはどのように選ばれるのだろうか?

 今シーズンの地域CLのレギュレーションはこうなっている。

 まず最優先は「全社枠」。つまり、各地域リーグの4位以内のチームでノックアウト式トーナメントで行われる全国社会人選手権大会のベスト4に進出した3チームに出場権が与えられる。つまり、地域リーグで4位の場合でも出場権が得られることがあるのだ。

 この「全社枠」でも出場チームが12に達しなかった場合には、Jリーグから「100年構想クラブ」として認定を受けたクラブの中で地域リーグで2位に入ったクラブに出場権が与えられる。

 そして、それでも出場チーム数が12に達しない場合には、「輪番制」と呼ばれるシステムで地域リーグ2位のチームが選ばれることになる。「輪番」と呼ばれるのは「関東→関西→九州→東海→中国→北信越→東北→四国」という順序が予め決まっているからだ。

 2021年度の場合は、全国社会人選手権大会が新型コロナウイルス感染症の影響で昨年に続いて中止になってしまった。そして、「100年構想クラブ」で地域リーグ2位に入ったクラブがなかったのだ(C新宿も「100年構想クラブ」だが、関東リーグで優勝した)。

 そこで、「輪番制」枠として3チームに出場権が与えられたのだ。昨年度の地域CLでは関東、関西、九州の各リーグの2位チーム(ブリオベッカ浦安、ラランジャ京都、J.FC MIYAZAKI)に出場権が与えられていたので、今年は九州の次の東海、中国、北信越の各リーグの2位(伊勢志摩、FCバレイン下関、アルティスタ浅間)に出場権が与えられたのだ。

 伊勢志摩は、たまたま東海リーグに輪番制が適用される2021年度に2位に入ったことで全国CLの出場権を獲得し、そしてJFLへの挑戦権を得たのである。なんと幸運なことだろうか!

 実に複雑で、不思議なレギュレーションといえる。つまり、場合によっては(全国社会人選手権大会でベスト4に進出すれば)地域リーグ4位のチームでもJFL昇格が可能であり、また、輪番制という不思議なシステムで2位チームにも出場資格が与えられるのである。

 この大会が、単なる地域リーグ加盟チームによる全国選手権大会であるなら、それでもいいのだろうが、地域CLはJFLへの昇格を決める大会なのだ。もっと合理的なシステムに変更すべきなのではないだろうか。

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