■主審の会見を導入したアイスランドでの反応

 実際のところ、「主審の試合後会見」は、形式はさまざまだが、すでに欧州のいくつかの国のリーグで実施されている。最も新しいのは、ことしそれを導入したアイスランドの1部リーグ「ウルヴァルステイルト」である。試合後、中継テレビ局からの要請があれば、主審が短いインタビューを受け、試合中のいくつかの判定についてその理由を説明することができることになった。そしてそれは、現在のところ、視聴者やメディアだけでなく、レフェリーたちにも好評だという。

 現在行われている試合後の記者会見のように、会見室のテーブルにつき、向かい会った記者たちからときに遠慮会釈のない質問をぶつけられるという形は、ベンゲルの主張はそういう形かもしれないが、現状では、ときにレフェリーがつるし上げられる形になる危険性があり、ふさわしくないように思う。しかしアイスランドのようにある程度コントロールの聞く形式であれば、「試合後の主審会見」は役に立つのではないだろうか。

 ビデオ・アシスタントレフェリー(VAR)が導入されている大会でも、すべての最終決定は主審に委ねられている。オフサイドだったかどうかはVARだけで決められることもあるが、そのオフサイドポジションの選手が相手競技者を妨害しているかどうかなどの判断は主審に一任される。だからVARのはいっている試合でも、主審に説明を求める価値は十分ある。

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