【EURO2020ベスト8】ウクライナ対イングランド(2)「2つのアシスト」と数字に出ない貢献度の画像
イングランドのハリー・ケインの1点目 写真:代表撮影/ロイター/アフロ

 【UEFA EURO2020 準々決勝 ウクライナvsイングランド 2021年7月3日(日本時間28:00キックオフ)】

※第1回はこちら

 

 最大のライバル国といっていいドイツとの一戦で、ヨシュア・キミッヒを封じる最重要ミッションを達成し、2ゴールアシストとボール奪取という形で貢献を見せたルーク・ショーは、ひきつづきウクライナ戦でも活躍を見せた。

 数字に表れるものでは、チーム2点目となるハリー・マグワイアのゴールをフリーキックでアシスト、チーム3点目のケインのゴールをクロスでアシスト、と2アシスト。

 それだけでも主役の1人であることは明らかだが、数字に表れない部分が欠かせない。

 2分から3分にかけてのボール回しでは、右サイドで詰まったチームに対し、大きく手を挙げて存在をアピール。1度ではなく、2度もそうすると、ボールは最終ラインへ戻された。

 これはフリーであることをアピールするだけでなく、無理して行くな、ということをジェイドン・サンチョにわかりやすく伝えるためのものだ。アタッキングサードに入ったところからチャレンジをするのはラヒーム・スターリングとショーのいる左の役割で、右は前がかりにならないように。この日のイングランドの取り組みはそういうバランスだった。

 そして直後にショーのフリーランとスターリングのドリブルでウクライナ守備陣を動かし、ケインがエリア内のスペースを突いて先制することになる。

 フリーランが素晴らしいということよりも、チームのやるべきことを全体に徹底させ、困ったり焦ったりする時間を排す、という部分で重要な存在であることが垣間見えたシーンだった。

  1. 1
  2. 2
  3. 3