19日間で9連戦。2021年5月28日から6月15日にかけ、男女A代表、U-24代表合わせ、サッカー日本代表は怒涛の日程となった。五輪最終選考のための対ジャマイカ戦、ピクシーの愛称で知られたドラガン・ストイコビッチ監督率いるセルビアとのA代表親善試合、そしてなでしこ……大住良之、後藤健生のサッカージャーナリスト2人が徹底的に語り合う!
■東京五輪への懸念と「サッカーは心のゲーム」
大住「オリンピック自体、開催できるかどうかわからないけど、今回の一連の国際親善試合を見ていると、オリンピックって本当に大変なんだなって思うよね。たった9チーム、300人そこらが来ただけで、どこで陽性者が出た、濃厚接触者はどこだ、ってピリピリとしなくちゃいけなくなったわけじゃない?
チームによってはゴールキーパーが1人もいなくなっちゃったとか、日本に来てから陽性になった人がいるとか。なかには、日本の基準に合わなくて飛行機に乗れなかった選手もいたよね。大変な騒ぎになって、試合ができるかできないかの騒ぎが起きたわけじゃない?
サッカーという互いにしっかりとした組織がある競技の親善試合で、これだけ騒ぐんだから。オリンピックのように様々な競技で、今の100倍の数の選手たちが日本にやってくるわけでしょ。
そんな中で、ちゃんとコロナの感染対策が徹底できるのか。バブルにして缶詰にしたところで、ちゃんと外出自粛を全員に守らせることができるのか。これは本当に大変なことだよね。
今回の9試合、タジキスタンやモンゴルの試合も含めると、もう少しだけ数は多いけど、来日したのは9チームでしょ」
後藤「それに日本代表も海外組がいるから、10チームくらいの選手がいると考えて、そこに審判が来て、役員も来て。正確に人数は把握できないけど、数百人が来日したわけだよね。それで、これだけ毎日のようになにかしらの出来事が起きたんだから、オリンピックなんて、もっと大変な事が起きるよね」