■「これ以上のプレッシャーはない」

 初戦を落として後がなくなった日本だが、2番手のJayは冷静だった。「Aguさんが頑張っていたのを見て、絶対に負けていないなと思っていた。もう1回勝てばAguさんはやれると、気持ちが入りました」。

 早々に先制しながら、30分過ぎに追いつかれるというAguと同じ流れで試合が進んだ。だが、前半のうちに再びリードし、後半開始から10分も経たないうちにCKの流れから追加点。すると70分には4点目を奪い、そのまま勝利。決勝進出は、運命の第3戦で決することとなった。

 チームの運命は、再びAguに託された。冷静な表情で試合に臨んだ日本代表選手たちが雄叫びを上げたのは、開始30分のこと。序盤からの勢いのままに先制に成功したのだ。後半にも開始から15分のうちに2点を追加。残り10分で1点差までに追い上げられたが、見事に勝利。念願の本大会出場権を獲得した。

 日本代表の3人は、個人で世界の舞台で戦ってきた歴戦の選手である。それでも、日本代表のユニフォームを切る試合には、今までにない重圧があったという。

 韓国戦勝利の立役者となったAguは、青いユニフォームを着て戦った3日間をこう振り返った。

「このユニフォームで試合をする、日の丸を背負うというのは、普通に生きていたらなかなか経験できないこと。普段の大会と5倍も10倍も、何十倍も違いました」

 中でも、韓国戦には懸ける思いがあったという。

「日韓戦が負けでスタートというのは、今後続いていく歴史を考えても嫌でした。負けるのが自分たちというのは、なおさら嫌でした。(eスポーツ日韓戦の)1ページ目を勝利で始めるということは意識していました」

日本を代表する重圧は、「これ以上のプレッシャーがあるのか」と表現した。まさに、リアルサッカーの代表選手たちと変わらぬ気持ちで戦っていたのだ。

 また、Jayは初めての日本代表の公式戦をこう振り返った。

「日の丸を背負うということで、注目度や試合を見てくれる方の層も違う。サッカーゲームが好きで見てくれている方だけじゃなく、日本代表が好きだから見てくれる人もいるので、プレッシャーがありました」

 だからこそ、韓国に勝利して決勝進出と世界大会出場を決めた瞬間、Jayの目に涙があふれたのだ。

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