■「組織を作っていかないと、勝負ができない」

大住「たとえば、久保とか三笘とかが半分抜けたように見えるシーンもあったんだけど、その時は日本のサポートよりもアルゼンチンのカバーのほうが圧倒的に早いんだよね。だからコンビネーションを出す前に、窮地に追い込まれているような感じ。

 それから三笘は、もともと足元でこねるタイプで、ダブルタッチとかをしながら抜いていくんだけど。そういうプレーに対して、ものすごく寄せてくる身体が、速くて強くて、三笘が自分のペースでプレーができなくなっているって言う感じだったよね。だから、もう少しボールを取ったところからの繋ぎの速さであるとか、判断の速さがあって、それで前に1本が出て、それに対して速い判断でサポートに良い角度で入って、それから抜けるって言う感じを作らないと。

 1対1の積み重ねで勝負みたいなのは、日本のサッカーがやろうとしていることじゃないよね。もちろん、1対1も強くなろうとは言っているんだけど。コンビネーションを使っていくのが日本のサッカーの生きる道なんだけど、それを出させてくれなかった試合だったね」

後藤「三笘がボールを持った時に、久保あたりがどういうポジションを取るかとかね」

大住「かろうじて渡して、また何かやって、かろうじて渡して、また何かやって。そんな感じだったね」

後藤「組織を作っていかないと、勝負ができないよね。後半には相馬勇紀が出てきて、スピードで抜くタイプの相馬のほうが抜けていたけど、あれも後半のああいう時間だからね」

大住「一発だけだったね。相手が、ああ、こういう選手か、って分かっちゃえばさ」

  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4