共に痛いミスを犯した2人だが、チームメイトからの扱われ方で差が出た。

 2点を追いかけるマルセイユは長友と酒井が高い位置を取って攻撃に人数をかけるプレーをしたが、長友がなかなか使われない一方、酒井は頻繁にボールを託される、という差を見せた。

 長友はパイェに使ってもらえないだけでなく、ボールを受けても戻すだけの無難なプレーに終始し、56分でピッチを去った。

 酒井はミスの後も攻撃の推進力としてチームメイトのファーストチョイスに選ばれ、アタッキングサードでプレーする時間が増えていった。中央のブバカル・カマラから大きく揺さぶる場面でも、使われるのは右の酒井だけだった。ペナルティエリア内でクロスを受けてヘディングシュートを放ち、インナーラップをしてペナルティエリア内でクロスを上げ、と、その存在はサイドバックでありながらマルセイユの最終局面で目立っていた。

 途中交代した長友に対し、酒井はフル出場を果たしている。

 どちらも大きなミスをしたが、酒井に対する信頼は変わらなかった。それは、ここまでマルセイユで築いてきた地位でもある。試合で実力を証明してきたからこそ、ミスをしてもプレーで挽回する機会が失われない。そして、酒井はしっかりプレーで挽回してみせた。

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