ローマのディフェンスラインがビルドアップをしようとすると、ラツィオの選手がコンパクトな3トップの形になって縦へのパスコースを消してみせた。チーロ・インモービレ、フェリペ・カイセド、セルゲイ・ミリンコヴィッチ=サヴィッチの3人だ。インモービレとカイセドは2トップ、ミリンコヴィッチ=サヴィッチは2列目の選手だ。
守備の際に前線の選手が下がって枚数を増やすのではなく、前線に1人増やすことでブロックをより強いものにする、というこの守備のやり方に、ローマは終始対応できなかった。
3人によって単純な縦と両斜めの3つのコースを消されているため、ローマは中盤の選手が動かなければならないが、ラツィオの中盤がしっかりとその動きを見張っていたことで、ディフェンスラインから短い縦パスを出すことはできなかった。らちがあかないのでミドルレンジのパスを前線に入れることを試してみれば、受け手はボールが届く前からプレスを受け、ボールをあっさりと奪われてしまった。
ならばとサイドに広がった選手にボールを預け、角度を変えることでパスコースを作ろうとすると、ラツィオは中盤から1人を飛び出させて、素早い寄せを見せた。飛び出して来るということは、そこをかわせばフリーの選手がいるはずだが、その際にはミリンコヴィッチ=サヴィッチが中盤に下がって対応していた。もしボールが入ってしまった時は、イエローカードで止めればいい。
こうして「出ないところ」と「出ていくところ」がしっかり決められているラツィオの連動した守備は綻びを見せず、ローマは何もできないまま試合を終えることになった。
ローマに打つ手はあったのだろうか?