■2013年以来の仙台復帰も?

 12月20日にホームでの最終節を控えているだけに、手倉森監督は「サポーターに対して未来への夢や希望が湧く試合をしなければいけない」と、自らを奮い立たせている。その一方で、その去就がにわかに注目を集めてきた。

 18日午後のオンライン会見では、「僕が一番望んでいるのは日本サッカーの発展であり、同時にサッカー界で生きた人間が社会に公益を及ぼすようになってほしい」と話した。そのためにできることとして、発信力と影響力のある自身の言葉を「手倉森節」と表現し、「手倉森節を全国に散りばめていきたい。そういう意味では、短いスパンでもいろいろなクラブを渡り歩く指導者になっていければ」との未来像を口にした。

 オンライン会見から数時間後の18日夕方に、J1のベガルタ仙台が木山隆之監督の退任を発表した。すると、一部のメディアが後任候補として手倉森監督をあげた。

 手倉森監督と仙台のつながりは、広く知られているところだろう。04年から07年までコーチを務め、08年に監督に昇格した。就任2年目の09年にJ2優勝でJ1昇格を果たし、11年には4位、12年は2位と、仙台をJ1の上位へ押し上げていった。

 あの東日本大震災から、2021年で10年となる。発災当時にチームの先頭に立っていた手倉森監督が再び陣頭指揮を執ることになれば、ホームタウンに当時の「魂」がよみがえり、中位が定位置となっているチームに力強い息吹がもたらされるだろう。

 20日のJ2リーグ最終節を経て、長崎と手倉森監督は新たな道を歩き出す。リーグ戦終了後の動きに注目だ。

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