■コパカバーナの素敵なホテルで
その他、様々な展示もありましたし、軽食も出ました。そして、会場でひときわ目を引いたのがウォッカの試飲コーナーだったのです。
氷をくり抜いて作ったグラスにウォッカをなみなみと注いでくれます。しかも、何種類ものウォッカがあって、飲み比べができるという大変に結構な、そして危険な趣向です。
しかし、僕にだって学習能力というものはあります。
「ここでウォッカを飲みすぎたら大変な目に遭う。2杯だけにしよう」。
僕は心の中でそう固く誓って、ウォッカ試飲コーナーに足を向けました。
さすがにロシア側がレセプション用に持ってきただけのことはあります。ロシアやポーランドに行ったときにその辺のスーパーなどで買ってくる安ウォッカとは違います。大麦などの穀物の香りと、香草の香り。おそらく、樽の香りも移っているのでしょう……。高級ウォッカは大変に美味でした。
「うまい!」
というわけで、僕は“心の誓い”を忘れたわけではないのですが、「もう1杯だけ」飲んでみることにしました。
その後のことは、皆様のご想像にお任せします……というか、その後のことは僕にも定かな記憶がないのです。
コンフェデレーションズカップの時は、僕は「せっかくだから」と思ってコパカバーナ・ビーチのそばの安ホテルに泊まっていました。もちろん、ビーチに面したホテルは高いので、ビーチの最南端近くの裏通りにあるホテルですが、木々に囲まれた小ぢんまりとした素敵なホテルでした。
行きは近くのメディア用ホテルからシャトルバスに乗ってマラカナンまで行ったのですが、帰りはタクシーで帰ってきたような記憶が断片的にあります。部屋に戻って、とにかくひと眠り。まだ午後の早い時間だったので、「夜まで寝て、夜はまた美味しいものでも食べに行こう」と思ってベッドに入ったような気がします。
目が覚めました……。まだ外は明るかったのですが、東横線での経験と同じように、やはり何かが変だったのです。よくよく時計を見ると、翌日、つまり決勝戦の日の昼でした。
うう~ん、さすがウォッカです!
よかった。決勝戦は19時キックオフですから見逃さずにすみました。結局、あまり食欲もなかったので、そのまま部屋で夕方まで過ごしてようやく復活。マラカナンに向かいました。