■出場時間は「短く」て「長い」

 出場時間が短い、もっと見たかった、という声は多い。

 しかし、これまでよりは長い。

 ここまで4試合を消化しているカタールW杯アジア2次予選での、久保のプレータイムを振り返る。

 昨年9月のミャンマーとの開幕戦は、81分からの出場だった。続く10月のモンゴル戦は、ウォーミングアップだけで試合が終わった。

 モンゴル戦直後のタジキスタン戦は、87分からの出場である。当時所属していたマジョルカの地元紙は、「わずか4分間の出場のために2万2000キロもの長距離移動を余儀なくされた」と伝えたが(実際はアディショナルタイムを加えると7分強だった)、当時はまだ久保の優先順位がそこまで高くなかったとも言える。森保監督には少しずつ慣れさせていく、という思惑もあったのだろう。

 およそ1年の時間が流れ、久保の立場は変わった。彼自身が変えた。

 マジョルカで主力級の働きを見せ、ビジャレアル入りを勝ち取った。リーグ戦5試合が消化された新天地では、これまでのところ途中出場が続いている。それでも、オール海外組と騒がれる今回のメンバーで、スペイン1部でプレーしているのは久保ひとりである。国際的にも競争力の高いリーグで、そのなかでも有力なクラブで、定位置を争っている数少ない日本人選手なのだ。

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