今回、J3秋田は、「試合運営体制の不備により各入場口でカウントした入場者数が目視による観客数を下回っていたことが契機になって始まった」としており、「入場者数を多く見せかけようとした意図はない」と説明するが、5年間も事態を放置し、水増しをしている事実は悪質と言わざるを得ない。
Jリーグにおいて非常に重要な問題だが、実は、過去にもこうした事態は起きていた。その最大のものが、発覚した2010年当時にJ1だった大宮の水増しだ。2007年11月以降に主管した58試合で大宮は観客数を水増し。その合計人数は11万737人だった。クラブは当時、「よりチケットが売れたり客単価が上がることへの期待」があったことも認めている。
また、2017年7月には、J2長崎の水増しも発覚。2015年3月から2017年の4月までの主管試合全46試合中、45試合において水増しし、その合計数は少なくとも2万4000人を超えたという。
2015年には、J1浦和がJ1・2ndステージ第10節で、入場者数を誤って5212人多く集計・発表したことがあったが、この場合は、クラブが誤りに気付いて翌日に発表している。もし、秋田が「入場者数を多く見せかけようとした意図はない」と説明するならば、この浦和のような対応があって然るべきだったろう。