Jリーグの理念に背く事件だ。
9月17日、JリーグがJ3ブラウブリッツ秋田に罰金400万円を課す懲罰を発表した。2014年~2019年のホームゲーム全85試合において、水増しした入場者数を虚偽報告していたというのだ。Jリーグは、「Jリーグへの信頼を大きく失墜させるもの」と強く非難している。
水増しした手口は、以下の2つ。
①「スタジアムの各入場口でカウントした入場者を集計した合計入場者数の10%程度」水増し。
②「入場者数に算入できない運営ボランティア、運営スタッフ、出店者、メディアを少なくとも1 試合平均75~120名」水増し。
Jリーグには、入場者数のカウント法について細かいルールがある。それは、1992年のヤマザキナビスコカップ以来行われていることで、それまで“概数”が発表されていた日本のプロスポーツとは一線を画し、「一人一人のお客様をしっかりと大事にする」という考えからだ。
また入場者数の正確な発表は、実際的な問題もある。スタジアム内の広告料への反映、クラブの人気度、地元自治体などからの支援、チケットの値段設定など、入場者数の多少はクラブ経営に大きく影響するのだ。水増しが許されると、広告料の増大なども発生しかねず、Jリーグの信用問題と深く関わる。