久保建英、バレンシア戦途中出場の意味(1)「背番号16・タケがいない退屈なピッチ」の画像
攻め上がる久保建英  写真:ムツ・カワモリ/アフロ
プレシーズンマッチで久保建英が見せた飛ぶようなドリブル

 魅力的な試合かと言われれば、間違いなく首を横に振る試合だった。

 現地時間8月28日に行われたバレンシアとのプレシーズンマッチ。日本の至宝・久保建英の姿が拝める一戦だ。多くの日本人が、新天地での姿を見ようと思ったに違いない。

 冒頭で魅力的ではない、と書いたが、それも仕方ない。両チームともに背番号もしっかり決まっていない中で、20/21シーズンに向けた「確認」と「共有」こそが主題の試合である。エキセントリックなプレーを出すのは、まだ早い。

 バレンシアもビジャレアルも、システムは4-4-2でボランチを2枚置いた形だった。簡単に書くと、スタメンは以下となる。

【バレンシア 4-4-2】
FW:バレホ、マキシ・ゴメス
MF:ゴンサロ・ゲデス、ビセンテ・エスケルド、ウロシュ・ラシッチ、ダビド・ジェイソン
DF:ホセ・ガヤ、エリアカン・マンガラ、ガブリエウ・パウリスタ、ダニエル・ヴァス
GK:ジャウメ・ドメネク

【ビジャレアル 4-4-2】
FW:ジェラール・モレノ、パコ・アルカセル
MF:モイ・ゴメス、フランシス・コクラン、ダニエル・パレホ、サムエル・チュクウェゼ
DF:アルフォンソ・ペドラサ、パウ・トーレス、ラウール・アルビオル、ルベン・ペニャ
GK:セルヒオ・アセンホ

 スターティングメンバーの名前の中に、タケの名はなかった。

 前半、バレンシアは4―4のラインを保って、守備から入った。そのため、ビジャレアルがボールを保持する時間が長かったものの、持たされている感も強かった。しかし、9分に早くもビジャレアルが先制。ビジャレアルの左サイドでボールを持たれるや、黄色いユニフォームが一斉にプレスをかけ、パスミスを誘い、右サイドから走り込んできたチュクウェゼが左足で蹴り込んだのだ。

 そのスコアのまま前半は終了した。全体としてはダイナミックさもなければ、目を見張るプレーもない。タケがいないピッチは、日本人にとってあまりに退屈だった。

 後半から選手が何人か入れ替わると、バレンシアは前半より前のめりに試合を進めた。特に、バレンシアは左サイドから侵攻。ビジャレアルとしては右サイドでの圧力をかわしつつ、右サイドハーフのチュクウェゼがフィジカルを生かしてチャンスを窺った。ただ、右サイドですぐに選手が上がることができないため、単騎駆けの感は否めなかった。バレンシアも、フィジカルで潰しにかかった。

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