久保建英とビジャレアル~「無双の19歳」と「育成の楽園」(1)会長の求めた“変化”の画像
ビジャレアル戦での久保建英 写真:アフロ
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 マジョルカで残した印象は鮮烈だった。

 2019-20シーズン、マジョルカにレンタル加入した久保建英は獅子奮迅の活躍を見せた。とりわけ中断明けのリーガエスパニョーラの試合では「無双感」さえ漂わせ、完全にマジョルカの攻撃の中心になっていた。

 マジョルカの2部降格は避けられなかったものの、久保がリーガ1年目で強烈なアピールに成功したのは間違いない。現に、スペイン国内外の30クラブ以上が彼に興味を抱いている。そのなかで、現在、獲得に近づいているのがビジャレアルだ。

 ビジャレアルは19-20シーズンを5位でフィニッシュした。だがフェルナンド・ロイグ会長は変化を求め、ハビ・カジェハ前監督に代えてウナイ・エメリ新監督を招聘している。両者はすでに数ヶ月前に口頭合意に至っていたとみられる。それについて聞かれたエメリ監督は「口約束だったので、実際にそうなるかは分からないかった」と臆面もなく答えた。

ビジャレアルは人口5万人の小さな街である。初めてビジャレアルに行った時、ここにスペインの強豪クラブがあるのかと驚いた記憶がある。ビーチに足をのばせば、そこは常夏の南国を思い起こさせる雰囲気。喧騒とは程遠い環境なのだ。

そのビジャレアルが20シーズンにわたりリーガ1部で戦っているのは、育成を重視しているからに他ならない。昨年、パウ・トーレスがスペインA代表でデビューした。彼はビジャレアルの街で生まれ育ち、ビジャレアルのすべての育成年代のカテゴリーでプレーしている。いわば「生え抜き中の生え抜き」だ。

※後編『ビジャレアル移籍に迫る久保建英。選手育成に定評あるクラブでの挑戦』につづく

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