FC東京
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FC東京 2020年チーム展望

<戦力評価> A
<今季の目標> 優勝争い
<補強分析> A
<戦術> B
<フロント力> B

 昨季は最終節まで数字的には優勝の可能性を残したものの、直接対決で逆転を狙って乗り込んだ横浜F・マリノスのホームで、タイトルを手にする姿を目の前で見せつけられることとなった。J1過去最高の2位となった昨季を上回り、狙うは優勝しかない。

 長谷川健太監督2年目となった昨季は、序盤から好調に勝ち星を重ねた。守備は整備され、ファストブレイクと銘打った素早い攻守の切り替えから迫力を持ってゴールに迫るスタイルで、勝ち点を積み上げていった。29失点はJ1の18チーム中で2位タイとなる少なさで、長谷川体制3年目となる今季は、そこに新たな積み上げがなされたようだ。

 開幕戦の結果が、昨季からの変化の証明だ。清水エスパルスのホームに乗り込むと、先制を許して波に乗り切れずにいたが、選手交代が反撃のスイッチを入れた。55分にジュビロ磐田から獲得したアダイウトンを投入すると、スピードのある突破で攻撃が活性化される。77分のPKで追いつくと、レアンドロ、ディエゴ・オリヴェイラとつないでアダイウトンのゴールで試合をひっくり返す。終了間際にレアンドロがPKでダメ押しして、鮮やかに勝利を飾った。

 タイトル獲得へ向けてのプラスアルファを探り、昨季までの4-4-2から4-3-3へとフォーメーションを変更。AFCチャンピオンズリーグ(ACL)のプレーオフからJ1開幕戦までを3勝1分けと無敗で乗り切っており、新システムの試運転は上々だ。昨季までは破壊力に欠ける感もあったが、清水戦のように苦しい展開でも強引に勝利を引き寄せられる戦力がそろったと見ていいだろう。

 その爆発力をもたらしたレアンドロ(←鹿島アントラーズ)、アダイウトンに加え、ドイツ生まれのレバノン代表DFジョアン・オマリもヴィッセル神戸から獲得。Jリーグでの経験がある外国人選手ということで、計算も立ちやすい。

 他クラブからの補強は外国人選手だけだが、日本人選手もうまく加えた。開幕戦では中村帆高(←明治大学)が先発し、昨季に特別指定選手としてFC東京U-23でJ3の試合に出場していた紺野和也(←法政大学)も清水戦で交代出場。FC東京U-18で育った安部柊斗(←明治大学)はACLですでに先発出場と、大卒選手は即戦力として長谷川監督の眼鏡にかなったようだ。

 下部組織から昇格したバングーナガンデ佳史扶は、J1開幕戦でもベンチ入り。世界的名門レアル・マドリーに移籍した久保建英と同時にトップチームに昇格し、高い評価を受けていた平川怜も、モンテディオ山形からの期限付き移籍から復帰。アカデミー輩出のタレントが底上げをしつつある。

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