首都のクラブとしての矜持と野望とは
アカデミーから優秀な選手が出るのは、大都会・東京のクラブであることも大きな理由の一つだろう。分母が大きいほど、その中に隠れているタレントの数は多くなる。世界的に見ても、久保が移籍したレアル・マドリーは言うにおよばず、世界のリーグの頂点に立つイングランドのプレミアリーグではチェルシーやアーセナル、トッテナムとロンドンにビッグクラブがひしめき、大都会の力を見せつけている。首都には、やはりその国を代表するビッグクラブが自然と生まれるものだ。
FC東京の大金直樹社長は今季の新体制発表会で、2023年をひとまずのゴールとする「2023VISION」と題した中期計画を発表。「東京でフットボール文化をつくっていく」と、日本の首都のクラブとしての矜持を語った。
上記の会では、23区内でのクラブの認知度の低さを認め、その改善がクラブの発展につながると説いた。渋谷駅近くを発表会の会場にしたのも、その意識の表れだ。
23区内でのスタジアム新設について噂が流れ続けているが、大金社長は「首都東京にサッカースタジアムは絶対に必要だと思っている」と断言。「今年はオリンピックイヤー。このスポーツの機運に乗って、しっかりとスピードアップして発展していきたい」と鼻息荒く語った。
世界的な注目と金がTOKYOに集まる2020年は、その日本の首都を本拠とするクラブにとっては最高の後押しとなるシーズンだ。