大分トリニータ 2020年チーム展望
<戦力評価> D
<今季の目標> 1ケタ順位
<補強分析> C
<戦術> A
<フロント力> B
昨季は6シーズンぶりに戻ったJ1で、リーグ序盤戦の台風の目となった。知将の下で毎年成績向上を果たしているクラブは、他クラブの昨季以上の警戒網を打ち破り、目標に到達できるだろうか。
近年の躍進は、片野坂知宏監督の存在なくしてあり得なかった。2016年に片野坂監督が預かったチームは、前年にクラブ史上初のJ3降格を喫していたのだ。だが、J3を制して1年でJ2に戻り、2017年には9位、翌年には2位となり、J1自動昇格を決めた。J1復帰初年度の昨季も、戦力的にさすがに残留は厳しいとみる向きが多かったが、その予想を裏切り、9位という1ケタ順位で見事に生き残った。
知恵をしぼり、戦術を活用して勝利する。片野坂監督率いるチームは、そうやって階段を着実に上がってきた。
昨季も、自陣でボールをつないで相手を引きつけ、さらに揺さぶり、空いた裏のスペースへロングボールを効率よく活用する「疑似カウンター」と呼ばれた戦術が効いた。12試合を終えた時点でも3位につけているなど、片野坂監督の策がJ1でも十分通用することを証明した。
また、成長速度を落とさぬよう、目標もさらに高くした。片野坂監督は今季の新体制発表会見で、6位を目指すと宣言。そこに至るための具体的な数値として、得点50・失点35というラインを設定しての勝ち点55獲得を掲げた。
昨季はリーグ全34試合を戦って35得点・35失点と、得失点差はプラスマイナスゼロだった。守備に関しては、昨年同様のプレーができれば目標クリアはできるという計算だろう。問題はゴール数の積み上げだ。