日本で32年ぶりに開催されたアジア競技大会。サッカー競技では、男子は準優勝、女子は3連覇という結果で幕を閉じた。しかし、2歳上のU-23韓国代表相手に圧倒的な試合展開を見せながらも銀メダルに終わったU-21男子代表の戦いぶりには、今後の命運を左右する「深刻な課題」が潜んでいた。来る2028年ロサンゼルス五輪へ向けてアジア枠が激減する中、大岩ジャパンが直面する“得点力不足”という壁。サッカージャーナリスト後藤健生が、美しきパス回しの罠に警鐘を鳴らす!【第2回/全3回】
■「決めきれないと罰を受ける」フットボールの格言通りの残酷な失点
後半に入っても日本の攻勢は続き、韓国にはほとんどチャンスらしいチャンスがなかった。だが、韓国の厚い守りを崩せない日本はチャンスを得点に結びつけられない。こういう状態が続くと必ず罰を受けるというのは古いフットボールの格言だが、事実、この日の日韓戦でも61分にそれまでノーチャンスだった韓国に1点が入った。
右サイドに縦に入ったボールをサイドハーフの梁民赫(ヤン・ミンヒョク=ウェステルロー)と佐藤海宏が競り合い、いったんは佐藤が止めたかに見えたが、ボールがこぼれて再び梁民赫に渡り、クロスが上がる。GKの荒木琉偉がこのクロスのコースをわずかに変えたが、逆サイドから詰めてきた厳智星(オム・ジソン=スウォンジー・シティ)に決められてしまった。
1点を先制された日本だったが、その後も崩れることなく、さらに攻勢を強めて同点を狙って猛攻をしかけた。しかし、石井のシュートがゴールポストに嫌われる場面もあり、ついにノーゴールのまま試合が終了してしまった。
日本は年齢が2歳上の韓国代表相手に90分間ほとんど優勢に試合を進めることができた。これまでのアジア大会の日韓戦では見られなかった光景だった。
90分間を通じてのボール保持率は日本が58%、韓国が42%だったが、後半だけだと日本のポゼッションは64%に達した。そして、シュート数も日本が10本、韓国が5本。数字的にも日本の優勢ははっきりしていた。
だが、日本は得点力不足のせいで金メダルを逃してしまった。
































