サッカージャーナリスト大住良之による「超マニアックコラム」最終回。画期的な目薬ボトルの開発で年間売上810億円の大企業へと成長した『ウルザファルム』。トップに立つフランク・ホルツァーは、その莫大な利益を故郷の「村のクラブ」SVエルバースベルクの1部昇格という夢につぎ込んだ。ピッチ上の奇跡にとどまらず、衰退した炭鉱の街・ザールラント州に新たな希望の光を灯した、壮大なビジネスと郷土愛の結末をお届けする。
■売上810億円の大企業へ! 成功を収めても忘れなかった「村のクラブ」への愛と投資
「コモドシステム」の開発により、ウルザファルムの点眼薬は一挙に売り上げを伸ばし、現在ではドイツの市場で43%ものシェアを占め、欧州全体、アメリカ、アジアなどに事業を拡大しようとしている。現在、フランク・ホルツァーが率いる「ウルザファルム・グループ」は本社をザールブリュッケンの南のクラインブリッターズドルフ村に置いており、全従業員1450人、グループ全体の年間売上高は4億5000万ユーロ(約810億円)に上っているという。
こうして事業で大成功を収めながら、フランク・ホルツァーは故郷の村とSVエルバースベルクへの愛情を忘れなかった。1990年にはクラブの会長に立候補して18年間その職を務め、2000/01シーズンの大半と2009年の9月には、当時の3部リーグで苦境に陥ったチームで「監督代行」まで務めている。そして2011年には息子であるドミニク・ホルツァーをクラブ会長の座に据え、急成長中の「ウルザファルム」をクラブのメインスポンサーにして本格的な強化に乗り出した。







































