■トゥヘル監督の決断は最適解だったのか?

 だが、試合は一気にアルゼンチンのペースとなる。

 反撃に出るしかないアルゼンチンは前線の枚数を増やし、イングランドのディフェンスラインに圧力をかける。イングランドのトーマス・トゥヘル監督は、1点のリードを守り切ることを選択して守備の人数を増やす。だが、パス主体の攻撃的なサッカーを目指してきた指揮官の決断が、イングランドのリズムを狂わせた。

 ゴール前の守備を固めたイングランドだったが、中盤や右サイドでリオネル・メッシに対するマークの受け渡しがスムーズにいかなくなる。組織的な守備ではなくただ耐えるだけの状態になった。

 攻勢のアルゼンチンが追いついたのは後半40分。右コーナーキックのキッカーを務めたメッシがリターンを受け、イングランドの選手たちを引きつける。そしてゴール正面でフリーになっているエンソ・フェルナンデスへとパス。フェルナンデスが見事なシュートを決めて1-1とした。

 勢いを失ったイングランドは耐えて延長戦へ持ち込みたいところだったが、アルゼンチンは攻め手を緩めない。そして90+2分、再び右サイドでボールを持ったメッシが縦へと仕掛け、右足でクロスを供給。正確無比なクロスがラウタロ・マルティネスの頭にピタリと合い、アルゼンチンが2-1と試合をひっくり返した。

 イングランドに追いつく力は残っていなかった。フィロソフィを放棄してまで早めに守る選択をしたイングランドだったが、大きな後悔が残る敗退となった。


■試合結果

アルゼンチン代表 2-1 イングランド代表

■得点者
55分 アンソニー・ゴードン(イングランド代表)
85分 エンソ・フェルナンデス(アルゼンチン代表)
90+2分 ラウタロ・マルティネス(アルゼンチン代表)

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