■ 確定した決勝Tのシナリオ。最新FIFAランク6位と7位の壁
森保一監督はチュニジア戦後の会見で、次のように語っている。
「モンテレイのスタジアムは最高に良かったです。メキシコの方々も応援してくださって、我々が思い切ってプレーできるスタジアム、雰囲気だったかなと思っています。次、モンテレイで試合をするかどうかは神のみぞ知るということで、次しっかり戦って、そこから結果を受け止めたいです」
指揮官の言葉からは、再び圧倒的なホーム感を作ってくれたモンテレイに戻って試合をしたいという希望が見え隠れする。
しかし、すでに全日程を終了した「グループC」の最終結果が、状況をシビアなものにしている。グループCはブラジルが1位(勝ち点7/得失点差+6)、モロッコが2位(勝ち点7/得失点差+3)で順位を確定させた。日本がグループF最終戦「スウェーデン戦」の結果によって1位になればモロッコと、2位になればブラジルとの対戦が決まる。
もし日本がグループFを「1位突破」した場合、ラウンド32の試合会場は再びメキシコ・モンテレイとなり、相手はグループCの2位・モロッコとなる。
最新のFIFAランキング(2026年6月発表)で世界7位につけるモロッコは、前回カタール大会でアフリカ・アラブ勢初のベスト4という快挙を成し遂げた強豪だ。今大会も初戦でブラジルと1-1で引き分け、スコットランド戦ではサイバリの開始71秒弾で勝利(1-0)。ハイチ戦(4-2)では2度のビハインドを跳ね返すなど、親善試合からの絶好調を維持している。
このモロッコ戦自体が難敵だが、真の懸念はその先だ。このままトーナメントの同ブロック(同じ山)を勝ち進むと、ラウンド16あるいはベスト8という早い段階で、グループIを圧倒的な力で首位通過するであろう絶対王者フランス代表と激突する、非常に過酷なルートが待っている。
一方で、もし日本が「2位突破」となった場合、移動先はアメリカ・テキサス州のヒューストンとなる。ラウンド32の相手はグループCの1位・ブラジルだ。
FIFAランキング6位のブラジルは、今年5月に名将カルロ・アンチェロッティ監督が就任してからは完全復活。今大会もヴィニシウス・ジュニオールがすでに3得点を挙げるなど、2勝1分けの首位でグループを突破してきた。
決勝トーナメント初戦でいきなり世界最強のカナリア軍団と戦うリスクはあるものの、実はこのヒューストンの山に入れば、フランスなどの超強豪国とは逆のブロックに入るため、決勝まで当たらない。大会全体のトータルバランスで見れば、上位を狙いやすい(戦いやすい)ルートとも言えるのだ。
もちろん、相手がどこであれ、目先の一勝と一つでも上の順位を狙うのが健全なフットボールの形だ。
だが、わたしが「2位通過」を切望する理由は、こうした戦術的なシミュレーションだけではない。もっと個人的で、かつ切実な理由がある。
つまり――もう二度と、モンテレイに行きたくないのだ。なぜか。
(後編に続く)



























