■ 明かした「股抜きシュート」の極意
この痺れるような一撃は、決して偶然の産物ではない。中村は自身の著書『中村敬斗フォトブックNatural ナチュラル』(双葉社)の中で、この「股抜きシュート」の極意について明かしている。
同書の中で中村は、フランスのリーグ・アン(ナント戦)で決めた劇的な股抜きゴールを振り返り、「ディフェンダーの股が開いていたのが見えたので、コロコロシュートを打った」と回顧。オーストリア1部LASKリンツ時代にも同様のゴールを決めた経験があったとし、次のように明かしている。
「あの場所でボールを受けると、ゴールキーパーは巻きシュー(巻いたカーブシュート)をイメージするので、ファーサイドに動くはず。股抜きのコロコロをやれば、いけるに違いない」
さらに「ああいうコースにシュートを打つと、ディフェンダーが何人もいてキーパーのブラインド(目隠し)になるので、コロコロでも入る」と、GKの心理の逆を突き、DFを死角に利用する高度なロジックを語っていたのだ。
そして特筆すべきは、今回のオランダ戦でのゴールが、当時の極意からさらなる進化を遂げていた点だ。今回は「コロコロ」ではなく、鋭く腰を捻って放たれた強烈なシュートだった。GKとの駆け引きを制し、ブラインドを利用してコースを選べば決まるというセオリーに、強豪国の壁を打ち抜く「シュートスピードと威力」が上乗せされた、まさに“進化した股抜きニア弾”だったと言える。
冷静な計算と圧倒的な技術でW杯デビュー戦初ゴールを決めた中村は、跳び上がりながら渾身のガッツポーズ。そしてアシストの久保と熱く抱擁を交わした。SNS上には、日本のファンから次のような歓喜のコメントが殺到している。
「敬斗おおおおお!!!!!」「来た!ケイトゾーン」「さすがです」「神すぎる!!!!!」「やっぱ中村敬斗なんすよ最高」「敬斗は決めちゃうのよ」
次戦は現地20日(日本時間21日13時キックオフ)のチュニジア戦。決勝トーナメント進出のためには、今度こそ勝ち点3が欲しい。もちろん、キーマンは中村だ。W杯デビュー戦を最高の形で飾った25歳が、2試合連続ゴールを狙う。




















