現地時間6月11日、北中米ワールドカップの開幕戦がエスタディオ・アステカ(メキシコシティ)で行われ、開催国メキシコが2-0で南アフリカに勝利した。だが、世界中のサッカーファンの話題を最も集めたのは、選手ではなく「主審」だった。
エンターテインメント性あふれる華やかな開会式の後、観衆8万824人の超満員スタジアムで行われた開幕戦。ホームの割れんばかりの大歓声を背にしたメキシコは、立ち上がりから試合を優位に進める。前半9分にフリアン・キニョーネスのゴールで先制すると、後半22分にはラウル・ヒメネスが豪快なヘディング弾を叩き込んだ。
結果的に2-0の完勝を収めるメキシコだが、手放しで大喜びできる展開ではなかった。
試合は中盤から大荒れとなった。後半4分、メキシコの決定機を阻止した南アフリカのスフェフェロ・シトレがDOGSO(決定的な得点機会の阻止)で一発退場。その判定自体は理解できるものだったが、波乱が起きたのは後半39分だ。南アフリカのテンバ・ズワネが相手の頭を叩いたとして、VAR判定の末にレッドカードが提示されたのだ。ブラジル人のウィルトン・サンパイオ主審がスタジアムのスピーカーを通じて英語で理由を説明するも、その言葉がしどろもどろだったため、南アフリカの選手たちは理解できずに怪訝な表情を浮かべた。
スタジアム全体に微妙な空気が漂うまま、迎えた後半アディショナルタイム。今度は南アフリカのクリソ・ムダウがドリブル突破を図ったところを、メキシコのセサル・モンテスがボックス外で足を引っ掛けて阻止する。
すると、サンパイオ主審は迷わずこの日3枚目となるレッドカードを提示。たまらずメキシコの選手たちが猛抗議に詰め寄り、スタジアムが騒然とした雰囲気のまま試合終了のホイッスルが鳴り響いた。

























