■1トップ2シャドーの破壊力はJ2屈指
横浜FCの須藤監督は、観る者の心に刻まれる「インプレッシブ・サッカー」を掲げ、ボール保持率、パス本数、パス成功率といったものにこだわる。同時に、そうした数字が目的にならない思考を持ち、敵陣でサッカーを続けていくことを目ざしている。
試合を重ねるごとに調子を上げていったチームは、10勝8敗のグループ4位でフィニッシュした。得点34はグループ最多で、J2・J3百年構想リーグ全体でも5位に相当する。平均ボール支配率とゴール期待値は1位、チャンスクリエイト総数は3位、クロス総数とドリブル総数は5位と、攻撃的なデータで高い数字を残した。
須藤監督は藤枝を指揮した当時と同じ3-4-2-1を基本システムとし、それぞれのポジションの序列を探りながら、チームの土台を固めていった。5月30日のRB大宮戦では、1トップのルキアンと2シャドーのジョアン・パウロ、横山暁之のトライアングルが、相手守備陣を大いに苦しめた。
ルキアンはフィジカルモンスターだ。J2のレベルでは、身体の強さが群を抜く。ゴールを背にしながらでもボールを収め、高い確率で味方選手へつなげることができている。
ジョアン・パウロもフィジカルは強い。それでいて、身のこなしがしなやかだ。イージーなボールロストがなく、ギリギリで判断を変えられる。態勢が乱れてもボールを保持したり、味方につなげたりできるのはそのためだ。24年はJ2で2得点、25年はJ1で1得点に終わっていたが、百年構想リーグではチームトップの6ゴールをマークした。左足のパワフルシューターでありながら、ペナルティエリア内にスペースを見つけ、したたかにネットを揺らすこともできる。
横山もボールを収める能力が高い。ふたりのブラジル人と同じく、彼も人を剥がす能力に優れる。必要な時に必要な場所に立てる選手で、パスワークの中継地点になりながら自身もペナルティエリア内とその周辺で決定的な仕事をする。こちらは5得点2アシストを記録している。かつて藤枝で須藤監督と共闘したこのMFは、自分で取ることも、味方に取らせることもできる。
このトライアングルは、攻撃でそれぞれに違いを見せながら、守備でも前線から献身的なプレスを仕掛ける。1トッププラス2シャドーの組合せとしては、今回の百年構想リーグで随一と言っていいだろう。








