■アイコンなしで「ベスト11」は語れない

 最後はFW部門。

 1人目はJ1得点王に輝いたレオ・セアラ(鹿島アントラーズ)だ。まずもって触れるべきは破格の決定力。先の伊藤のところで触れたG-xGは9.4と文句なしの1位。その好例がJ1年間ベストゴールに選ばれた柏戦(第24節)の超絶ロングショットだろう。鹿島の優勝も、決めるべき人が決め続けた結果と言ってもいい。

 2人目はラファエル・エリアス(京都サンガ)だ。京都をクラブ史上最高の3位へ導いた主人公。なかでも壮絶な撃ち合いを制した鹿島戦(第9節)のハットトリックにストライカーとしての凄みが凝縮されていた。また、プレスの先兵としても申し分のない働き。攻守問わず、チームへの貢献度は絶大だった。

 そして、3人目は鈴木優磨(鹿島アントラーズ)だ。王者鹿島のアイコンを抜きにベスト11は語れまい。さまざまなポジションと役割をこなした末の10得点5アシストには数字以上の価値がある。被ファウル数90はJ1最多。文字通り、体を張って時間をつくり、攻めの起点となった。満身創痍の中でねじ込んだ京都戦(第35節)での同点ゴールは今後も語り草となるはずだ。

 結果的には、Jリーグアウォーズで発表された2025年の「ベストイレブン」と“ほぼ同じ”顔ぶれとなった。その意味で新鮮味も意外性もないが、各々の演じた今季のパフォーマンスを振り返れば、やはり《最高の11人》に選ばれて然るべき選手たちだと思う。

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