
サッカー日本代表が、歴史的な勝利を挙げた。唯一ワールドカップ全大会に出場し、最多5度の優勝を誇る「王国」ブラジル代表から、史上初めて勝利したのだ。なぜ快挙は成し遂げられたのか。また、来年の北中米ワールドカップに向けて、どのような意味を持つのか。ベテランのサッカージャーナリスト、大住良之と後藤健生が語り尽くした!
■問題は「1点目を取られる」前か後か
――今回の日本の前半の出来に対し、大住さんの評価はかなり厳しいものですが、試合を通じて歴史的勝利への評価は100点満点中、何点になりますか。
大住「前半は50点だね」
後藤「厳しいことを言うわりには、そんなにひどい点数じゃないね(笑)」
大住「落第だよ。50点だったら、勝ち目はない。やはり70点くらいの試合をやらないといけない」
後藤「僕も、前半が終わったときには、0-3で終わるだろうなと思ったけど。でも大住さんが指摘しているのは、先制された後の話でしょ? そこは、僕はある程度、仕方ないことだと思うよ。ブラジルにああいうやられ方をして、怖がって引くことがいけないというのは、ちょっと要求が高すぎると思う。
問題があるとすれば、1点目を取られる前。試合開始から10分くらいは前から一生懸命守備をしていたのに、その後引いてしまったことは、問題とすべきだと思う。取られた後に怖がっちゃったというのは、しょうがないと思うけどね。
相手はブラジルなんだよ? プレスはかわされるし、ボールは取れない。どこかで盛り返さないといけなかったけど、その前に2点目を取られちゃったわけだよ。そこで引いてしまったのはしょうがないと思う。無失点なのに45分間引いてしまったら問題だと思うけど」