後藤健生の「蹴球放浪記」第282回「ADカードはどこでもらう?」の巻(2) マンチェスター・ユナイテッドの「鉄の扉」、社会的地位が高い「紳士の面接」を受けるアルゼンチンの画像
AFAオフィスで面接の後にもらったアルゼンチン対ペルー戦のADカード。提供/後藤健生

 蹴球放浪家・後藤健生は世界中のスタジアムを訪れる。その際に、欠かせないものがある。スタジアムの守備を突破するために「魔法の言葉」と「カード」が必要なのだ!

■憂鬱だった「写真撮影」の儀式

 ADセンターに着いたら、受付に行ってパスポートを見せると、すぐにADカードを作ってくれます(印刷したものをラミネートして、首から下げるヒモをつけてくれます)。「受け取り」にサインしてから、このADカードをぶら下げてメディア・センターに向かうというわけです。

 昔は、ここで写真撮影の儀式がありました。写真を撮影してすぐに現像した写真を張りつけてからラミネートするわけです。

 ところが、なかなか良い写真が撮れません。

 長時間飛行を経て到着した当日に試合がある場合などは、到着後ほとんど休息する間もなく(しかも、場所が分からず散々歩き回ってから)ADセンターに駆け込み疲れ切った顔で写真撮影に臨むことがあるので、本当にヒドい写真になってしまうこともありました。

 その、ヒドい顔写真を1か月間ぶら下げて過ごすので、これはかなり憂鬱なものでした。

 ただ、今はあらかじめADを申請するときにデータを添付しておいた写真が自動的に印刷されますから、撮影の手間と時間が省略されるだけでなく、気に入った顔写真が使えるので昔に比べると精神的負担も少なくなりました(まあ、どうせたいした顔ではありませんが)。

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