
サッカー日本代表MF田中碧がイングランドで称賛を受けている様子が、日本のファンを驚かせている。その迫力はもちろん、縁の深い日本代表選手とのつながりにも注目が集まった。
田中に反撃の時が訪れようとしている。ヨーロッパに渡ってから5年目になる来季、ついに1部リーグでプレーする機会がめぐってこようとしているのだ。
川崎フロンターレのアカデミーで育ち、2017年にトップチームに昇格。ルーキーイヤーこそ公式戦への出場はなかったが、3年目には名手ぞろいのチームで一気に出場機会を増やし、その2019年には日本代表でもデビューを飾った。
U-24日本代表として東京オリンピックに出場した2021年には、ブンデスリーガ2部のフォルトゥナ・デュッセルドルフへと期限付き移籍。念願の欧州挑戦をスタートさせた。
だが、そこからは苦しい時間が続いた。1部昇格まで近づくものの、あと一歩届かない。2023-24シーズンは3位となって1部16位のボーフムとの入れ替え戦に臨んだが、初戦でのリードを第2戦で吐き出し、PK戦の末に1部昇格を逃した。
田中個人は昨夏、同じ実質2部リーグではあるものの、世界最高峰との誉れ高いイングランド・プレミアリーグに続くチャンピオンシップを戦うリーズ・ユナイテッドへ移籍。新天地で挑戦を始めたが、ここでも苦しい時間はあった。
シーズン開幕後の移籍で、先発までには少し時間がかかった。その後は中心選手となっていったが、ファンからの非難の声もあったようだ。
だが、そうした雑音に左右されず、チームをけん引。見事にチャンピオンシップ優勝とプレミアリーグ昇格を成し遂げ、チーム内で選手同士の投票による年間最優秀選手に選ばれた。
田中を評価したのはチームメイトだけではない。現地時間5月6日に行われたパレードでは、ファンから大きな声援を浴びていた。
田中に向けては、路上からチャントも歌われていた。クラブのSNSでその様子が公開されると、日本のファンが反応した。
元になっているのは、1950年代から60年代を中心に活躍したアメリカのバンド、ザ・チャンプスによる有名な「テキーラ」だ。リーズのファンが、路上で大声を張り上げている。
このチャント、実は他の日本人にも歌われているものだった。プレミアリーグのブライトンでプレーする三笘薫のチャントとネタが同じなのだ。