■「ここまで納得いくような、みんなの期待に応える活躍ができていない」
しかし、である。その後、山田はサウジアラビア・ジェッダでその能力を発揮することができなかった。決勝アル・アハリ戦では途中出場での45分間で無得点。準決勝アル・ナスル戦では出場機会が訪れなかったばかりか、後輩の神田奏真に先発の座を譲る結果となっていた。
復活を期した国内リーグ戦2試合でも無得点。鹿島アントラーズ戦では14分間、横浜FC戦では先発して63分間ピッチに立ったものの、やはりゴールネットを揺らすことはできなかったのだ。
2連戦明けの5月15日、練習を終えた山田は「今シーズンここまで納得いくような、みんなの期待に応える活躍ができていない。もちろん相手も自分を意識していると思うんですけど、相手どうこうより自分にもっとフォーカスしてやることをやらないといけない」と自らに矢印を向けていた。
昨年はリーグ戦で19ゴールを記録したストライカーだ。サッカー日本代表入りを嘱望する声もあるほどの逸材である。周囲の期待は否が応でも高まる。
一方で、そのもどかしさが感じ取れる。むしろ、一番悔しいのは本人だろう。日本屈指のストライカーになれる自信がきっとあるのだから。
そこで山田に聞いてみた。自身の中で、去年と今年で何か違うと感じるところはあるのかと――。
(取材・文/中地拓也)
【「後編」へつづく】