■アイデアを「チーム全体」で共有
後半の主導権を握ったのは、またしても清水だった。乾のアイデアをチーム全体で共有することで、FC東京の陣地内での崩しに何度も成功する。
1点ビハインドの東京は、クロスの数を増やして同点を狙うものの、3バックの両サイドがうまく前線と絡めず、最後のひと押しに至らない。
そして、試合の行方を決定づけたのは、またも乾だった。79分、ボランチと最終ラインの間でボールを受けて前を向くと、ドリブルで持ち上がり、縦を切ろうとした岡哲平の股を抜くと、右足を振り抜いた。懸命に対応した岡に当たって、軌道が変わったシュートがネットを揺らした。
「股を抜くイメージはできていた」
再び、乾の狙い通りに追加点を奪った清水。
東京は、なんとか追いつこうと佐藤恵允や俵積田晃太が強引に突破を試みるも、清水がチーム全体の運動量を落とさずに、随所で対応。パーフェクトに守り切った清水が、完封勝利を収めた。
清水は、これでリーグ3連勝。5位に浮上したチームは、次戦は国立競技場をチームカラーのオレンジに染めて、19位と調子の上がらない古屋グランパスと相まみえる。
■試合結果
FC東京 0-2 清水エスパルス
■得点
45+1分 北川航也(清水)
79分 乾貴士(清水)