■「行く前はためらってしまう」
小学校時代は70~100本、中学校になってからは、坂道ダッシュを150本、雨の日も風の日もやり続けたという。中学からは自宅のある千葉から三菱養和SCのある巣鴨まで、週5で練習に通っていたことや、さらに三菱養和や年代別(日本代表)での遠征のことも考えると、自主トレとしては、人並外れたトレーニング量にも思える。
実際、中村は同書の中で、このように綴っている。
〈(前略)150本の坂道ダッシュは、終わるまでに2時間かかる。半端なくキツいので、行く前はためらってしまう。気合いを入れて毎回、坂道に向かった。(後略)〉
坂道ダッシュを続けるうちに、シューズがすり減ってしまい、穴が開いたままで走っていたこともあったという。
同フォトブックでは日本代表やスタッド・ランスでのプレー中の雄姿や、現在、住んでいるフランスでのプライベート写真も掲載されているが、子どもの頃から愛用していたシューズや年代別(日本代表)のユニフォーム、サッカーノートなど、サッカー関連のグッズなどの写真も掲載されている。
それらの愛用グッズの写真を見ながら、中村のサッカー人生に思いを馳せてみるのも一興だろう。 中村に憧れるサッカー少年たちにとって、将来の夢につながる「必見の1枚」があるに違いない。また、中村本人に会える出版記念イベントも開催されるという。