
現地時間の4月27日、川崎フロンターレがACLE準々決勝でアルサッドに勝利し、クラブ史上初めてアジアのベスト4に名を連ねた。
難しい試合だった。2度も同点にされて延長戦にもつれ込みながらの勝利。暑さもあった中で、選手とスタッフが一丸となって掴んだ勝利だった。
この試合のMOMは山本悠樹で、前半に奪った2つのゴールを一つはアシストで、もう一つはアシストになる前のパスを出してお膳立てする活躍を見せたからだった。
実はこの2点は、現地入りしてからの練習の形が一つ出たものだった。現地時間28日、練習の成果が勝利に結びついたのではと長谷部茂利監督に率直に聞けば、「まさにその通りです」と首肯。そして、「だから、あまり細かく書かないでください」とも続けた。
当然、筆者としてもその内容を細かく書くつもりはなかったが、その練習の際に見た光景でどうしても聞きたいことがあった。それまで、相手チームのあるポジション役になっていた長谷部監督が、突如、ビブスを着たままドリブルを始めたのだ。54歳の誕生日を迎えるタイミングとは思えぬ力強さで前進すると、最後はクロスまで上げてみせた。