
サウジアラビア・ジェッダで現地時間の4月27日、川崎フロンターレがACLE準々決勝でアルサッドを破った。歴史的勝利に、クラブ内でも喜びの声が挙がった。
高い高い壁をついに打ち破った。アジア青覇を掲げたクラブがこれまで挑戦した過去10度の出場大会での最高成績はベスト8。しかも、ベスト4進出を狙って挑んだ準々決勝では3度敗れていた。
国内リーグ戦、天皇杯、カップ戦では合計7個のタイトルを手にしていながらいまだ見ぬアジアのタイトルに向けて大きな一歩を進めたことで、試合会場を出ようとする竹内弘明強化本部長に話を聞くと、「積年の……」と声を詰まらせた。そして、「フロンターレがどうしても破れなくて、アジアで勝てないと言われて。長かったですね」と話すと、「みんなにありがとうですね」と感謝を示した。とはいえ、目標はあくまでもアジア青覇。だからこそ、「次ですね、次」と前を見据えていた。
「良かった」と和やかな表情で胸を安堵させたのは、強化部の伊藤宏樹氏だ。伊藤氏に勝利の瞬間にどんな思いだったかを聞いてみると、「めちゃめちゃ応援してたから(何かを思う余裕はなかった)」と振り返る。筆者から「ベスト4進出とか(思い浮かべなかった)……」と重ねて尋ねる言葉に被せるようにして「関係ない、関係ない。とにかくよかった」と言葉を紡ぎ、「東地区で唯一勝てて、選手もやりがいあったんじゃないですか」とチームを讃えた。