■守備コーチは「どう思うのだろうか」
【64分の紺野和也のヘディングシュートの場面】
52分に途中投入された福岡・名古新太郎のクロスに紺野和也がヘディングで合わせるが、ボールは左ポスト脇にそれる。まず、クロスをあげた名古の近くにいた安居海渡が、もっと急いでプレスにいかないとならない。さらに、左SBの長沼が最終ラインを意識して他の選手とラインを揃えて内側に絞っていないとならない。
長沼のこのプレーは、はっきり言って「怠慢なディフェンス」だと言える。浦和の守備コーチはこのプレーを見てどう思うのだろうか。ボールサイドと逆にいる選手は中に絞っておかないとならない、というSBとしての基本が身についていない。相手をここまでフリーにしてしまっては話にならない。
【68分の福岡の得点シーン】
福岡のコーナーキック。最初にボールに触ったのは、福岡の選手だった。浦和の選手は、誰1人として相手と競り合っていない。全員がボールウォッチャーになってしまっている。浦和はゾーンで守っているので、「誰かいくだろう」と、人任せにしているとしか思われない。
いくらゾーンであっても、ここぞという場面では人について競り合わないと、失点してしまうものだ。また、相手が先にボールに触ったことが見えているのなら、もっと必死になって、こぼれたボールにアタックしにいくべきである。しかも、まったく誰もいこうとしていない。これでは勝利をつかめるはずがない。
浦和が連勝できずに順位も低迷しているのは、監督の責任もそうだが、選手を獲得してくるフロントの問題が一番大きいように思われる。
いい選手はいるのに監督が使い切れていないのではなく、それなりの選手を集めれば、なんとかなるだろうと考えているフロントに問題がある。
確かにプレーするのは選手だが、同じポジションの選手を何人も獲得して、一番補強しなければならないポジションには、本職でない選手を使わざるを得ない状況を作った者が問題なのである。
守備の立て直しは急務だが、もっと厄介な問題があるのだ。