■強力なFWと対峙するために

 このFWルカオへのような強靭なFWに対して、あるいは、スーパーな選手に対してどのように戦うかは川崎が今、急速に対応を求められるポイントだと言える。
 というのも、サウジアラビアで開催されるACLEファイナルステージでは、元ポルトガル代表FWクリスティアーノ・ロナウド(アル・ナスルFC)や元リヴァプールのセネガル代表FWサディオ・マネ(同)、元ブラジル代表FW ロベルト・フィルミーノ(アル・アハリ)にFWアレクサンダル・ミトロヴィッチなど世界レベルの攻撃的な選手がひしめく状態だ。
 川崎は少なくとも第1戦ではオイルマネーが潤沢な西地区のクラブと対戦することが決定しており、そのような強力なライバルを制してアジア王者の座を掴むためにも、チームとして早い段階で意思統一をしていくことが求められる。
 ルカオへの対応について脇坂は、「ルカオ選手が胸トラップしてターンできるぐらい間延びしていた。ボランチがつつくとかセンターバックが弾くとかでもなく、普通にターンされてるシーンがあるのは、まず距離感が問題」とも振り返っており、誰が強く行くのか、あるいは挟むのかなど、うまく行かなかったときの修正に向けて、今回のFWルカオとの対戦はそのきっかけとしなければならない。
 そしてもう一つ、監督と選手から出てきたのは攻撃への意識についてだった――。
(取材・文/中地拓也)

(3)へ続く
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