■交代カード活用で「チームの底上げ」をはかる
1対1で終わった長崎戦で、森山監督は70分以降に5枚の交代カードを切った。選手交代でシフトアップをしたいはずだったが、攻撃のさらなる活性化にはつながらなかった。
試合後の森山監督は、「今日はちょっと選手が疲弊したかなという意味合いの交代だったので、戦術的な交代というわけにはいかなかった。前半のメンバーの流れが良かったので、そのままいくのが一番いいというのもありましたけれど」と説明した。
同時に、選手交代の意義にも触れた。
「リーグ戦を戦いながら途中から出た選手が力をつけて、流れを変えていってくれるようになっていかないと、長いシーズンを戦っていけないと思うので。試合に出していくなかで、自分で課題を感じたり、このままではダメだと危機感を持ってもらったり、また次の日の練習から(課題に)取り組んで、最終的に戦力に、いまのスタートを脅かす存在になってもらわないと」
交代枠が「5」となっている現在は、途中出場の選手の活躍が勝敗に大きく影響する。 好調なスタートを切った昇格組のRB大宮や富山は、途中出場の選手が勝利につながる得点を決めているのだ。
チーム全体の底上げは、安定感のある戦いにつながる。「そうしないと、出場停止やケガ人が出た時に、チーム力がガタッと落ちてしまう」と森山監督は続けた。目前の試合で勝利を目ざしながら、チームの地力を高めていく。仙台にとっては、J1昇格のためには必要なプロセスなのだ。