
カターレ富山は3月2日、11年ぶりとなるJ2でのホームゲームを開催した。クラブは、その舞台裏を動画で公開。すると、クラブの枠を越えて感動の声が広がった。
長い道のりだった。富山は2014年、J2で最下位となってJ3降格が決定。それから実に10年間にわたってJ3でもがき続けてきた。
2023年では最終節を前に2位の鹿児島ユナイテッドFCを勝点2差で追い、最後は勝点62で並びながら、得失点差で下回ってJ2昇格を逃すという悔しさを味わった。だが昨季、前年と同じ3位でレギュラーシーズンを終えながら、初導入されたJ2昇格プレーオフに突入。2潮合連続で引き分けながら、レギュラーシーズンの順位で上回っていたため、ついにJ2復帰を成し遂げた。
11年ぶりのJ2で、すぐさま勝利を手に入れた。開幕戦で愛媛FCに1-0で勝利したのだ。
第2節はジェフユナイテッド千葉に敗れたものの、もうひとつ楽しみな「初」が待っていた。ここまでの2試合はアウェイゲームだったが、第3節でようやくホーム開幕戦を戦えることになっていたのだ。
だが、その楽しみなホーム初戦を前に、困難が立ちはだかった。日本列島全体を襲った強い寒波による降雪だ。
2月19日、クラブはSNSなどで緊急事態をアピールした。スタジアムは一面、雪に覆われている。そこでホーム初戦の約1週間前となる2月24日に除雪をしてくれるボランティアを募集したのだ。
3連休最終日となる24日、スタジアムには400人を超えるボランティアが集まった。作業予定は3時間。その様子が撮影された動画を、クラブは早送りで短時間にまとめ、SNSで公開した。
除雪開始前、スタジアム全体が雪に覆われている。そこに人が集まり、まずはピッチ周辺やスタンドを雪かきしていく。
除雪している間にも、好天から曇天へと空の様子は変わっていく。さらには雪雲に覆われて雪が降ったが、何とか雪がない部分を増やして作業は終了した。
試合開催への準備はさらに続く。翌日、翌々日と整備が続き、準備が整ったのは、ようやく2月28日のことだった。