絶好調の湘南に敗北、浦和に何が足りないのか(1)ポジショニングが悪い「センターバック」、ボランチに求められる「球際の激しさ」、先発に起用したい「ベテラン」の画像
昨年9月、10年ぶりに浦和復帰した原口元気(写真)。湘南戦では46分に投入された。撮影/原悦生(Sony α‐1使用)

 2025年2月26日、湘南ベルマーレ対浦和レッズの試合がレモンガススタジアム平塚で行われた。試合は、2‐1で湘南が勝利した。湘南のフォーメーションは「3-5-2」の3バック。浦和は、前節の京都戦と同じフォーメーションで臨んだ。浦和は負傷した渡邊凌磨の代わりにサミュエル・グスタフソンを、さらに左サイドバック(以後SB)に長沼洋一をスタメンで使ってきた。

■「疑問が残る」スターティングメンバー

 まず、試合を見ての感想は、「上下に全力で走る」湘南と「球際で戦わない」浦和に映った。湘南は守備で自陣に戻るときも、攻撃で敵陣に入るときも、人数をかけている。しかも、上下動のスピードがものすごく速い。また、攻撃に関して、とてもシンプルな手順を踏んでいる。
 ゴールライン側までドリブルしてマイナスのクロスを上げるのではなく、ペナルティエリアの縦のラインの真ん中あたりで、平行にクロスを上げていた。つまり、相手ディフェンダー(以後DF)が守備の準備をする前に、仕掛けていたのだ。しかも、シュートをできるだけゴール枠内に収めようと打ってきているように映った。試合中の湘南選手の集中力には、見るべきものがあった。

 一方の浦和だが、スターティングメンバーが今のままでいいのかどうか、疑問が残った。厳しい言い方になるが、まず、センターバック(以後CB)のダニーロ・ボザはポジショニングがよくない。それに、マリウス・ホイブラーテンとのコンビだが、外国人2人をCBで使う弊害が見られた。
 つまり、右SBの関根貴大がCBにコーチングしてポジションを移動させなければならない場面でも、おそらく日本語が通じないので、関根はコーチングできないでいた。ボザの動きを見ていると、近くにいる選手がコーチングをしなくて大丈夫なくらい、気の利いたポジショニングをとれているとは思えなかった。

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