四半世紀以上にわたりJリーグで活躍した南雄太氏の引退試合が行われた。試合を締めくくる緊迫場面での現役さながらの好プレーが、対戦相手の存在も手伝って、多くの人の喝采を呼んでいる。
12月21日、柏レイソルなどでプレーした南氏の引退試合が、NACK5スタジアム大宮で行われた。最後に所属し、今回の主管となる大宮アルディージャのホームで開催されたが、かつて所属した柏、ロアッソ熊本、横浜FCも協力するという、豪華な布陣となった。
もちろん、選手の顔ぶれも豪華なものになった。南氏がクラブでともにプレーした選手たちが集まった「YUTA FRIENDS」には、北嶋秀朗氏、李忠成氏らが参加。南氏が年代別の日本代表として参加した1997年のU-20ワールドユースや1999年のU-23シドニー五輪世代にあたる選手らで構成される「BLUE LEGENDS」には、小野伸二氏、高原直泰氏といった、世代を代表した選手たちが入った。
だが、一番のビッグネームは、やはり三浦知良だろう。11月11日と、自身の代名詞である「11」並びの日に追加発表され、背番号が「11」となることも合わせてアナウンスされていた。世代は違うものの、キングが「BLUE FRIENDS」に入ったことに、批判の声があるはずもない。
試合は引退試合らしく、派手なものになった。中村俊輔氏のFKや、フィールドプレーヤーとなった南氏のゴールなど、見る人々を喜ばせるゴールラッシュ。キングカズもゴールを決めるなどして10-10という大熱戦。勝負はPK戦にもつれ込んだ。
ここまでも楽しい場面の多いゲームだったが、最大の見せ場は最後にやってきた。PK戦で1本止め、南氏にとってもラストプレーとなった相手の5本目のPKだ。
キッカーは、キングカズ。緊張の場面で、南氏は横っ飛び。体の上を行く軌道に懸命に右腕を伸ばして生けるレジェンドが放った一撃に何とか触れると、軌道の変わったボールはクロスバーを叩いて外れた。