11月9日に行われたJ1第36節で、FC町田ゼルビアがFC東京に3-0で勝利した。複数決めたゴールの中でも、勝利をぐっと引き寄せたサッカー日本代表の珍しい一撃に、多くの人が称賛の声を上げている。
町田にとっては、負けられない一戦だった。相手は同じ首都を本拠地とするライバル。しかも、負ければ優勝の可能性が消滅するかもしれないゲームだった。
初めて戦うJ1で首位に立ち続けるなど驚きを提供してきた町田だが、シーズン後半に入ると苦しみが続いた。第31節以降は5試合も勝利から遠ざかり、必勝を期してFC東京とのダービーマッチに臨んだ。
国立競技場を舞台とした一戦で、流れは町田に傾いた。前半15分にはシーズン途中に期限付きで加入した白崎凌兵が、移籍後初ゴールをマーク。さらに後半4分にはオ・セフンが追加点を奪い、リードを広げていた。
そして後半34分、大きなゴールが生まれた。町田がセットプレーから3点目を奪ったのだ。
ただし、単なるゴールではない。サッカー日本代表MF相馬勇紀がCKを直接蹴り込んだのだ。
直接FKであれば、キッカーがそのままゴールネットを揺らすのは珍しくない。CKであっても、キッカーの技量によってはゴールに直接吸い込まれることもある。ただし、CKの場合はファーサイドに巻いて決まることがほとんどだが、相馬のゴールはその定番を超えたものだったのだ。
相馬が左CKを送り込もうとする時、町田の選手たちはゴールの中央に集まっていた。その仲間たちが少しずつ動いてポジションを取る中、相馬は右足でボールを送る。すると、町田の選手たちには触れないまま、ボールはニアサイドに吸い込まれたのだ。