【J1鹿島が川崎にシーズンダブルを達成した意味(2)】三竿の右SB、津久井や舩橋ら若手抜擢も奏功。一体感を取り戻した鹿島は優勝戦線にどこまで粘れるかの画像
川崎フロンターレのマルシーニョと競り合う鹿島アントラーズの三竿健斗 撮影:中地拓也

 苦手・川崎フロンターレに今季リーグ戦2勝という大きな成果を収めたことで、優勝圏内に踏みとどまった鹿島アントラーズ。AFCチャンピオンズリーグACL)圏内の3位・町田とは同じ試合消化数で3ポイント差ということで、ACL出場権が見えてきたのも事実。中後雅喜監督率いる新体制へ移行した鹿島は堅守とスピーディーな攻めというベースに立ち戻っている印象だ。それも今はいい方向に行っていると言っていいだろう。

 ランコ・ポポヴィッチ監督が率いていた時は「メンバー・ポジション固定」の傾向があまりにも強かった。GK早川友基、DF濃野公人、植田直通関川郁万安西幸輝の守備陣は不動で、攻撃陣も1トップ・鈴木優磨が絶対的エースという状況は変わることがなかった。
 しかしながら、10月以降は鈴木を左サイドにトライさせたり、師岡柊生をトップ、三竿健斗を右サイドバック(SB)に置いたりと、これまでになかった柔軟な起用が見て取れる。もちろん新たな役割を全員がすぐに完璧に実践できるわけではないし、鈴木優磨の左サイドに関しては成功したとは言えないが、チームに新たな風がもたらされているのは確かだ。

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