■最終予選の中で「引っ張っていく立場に」
2023年3月の日本代表戦で、町田をA代表に初招集。同年9月に行われたトルコとの強化試合で、町田を初めてスタメンに抜擢したのである。
ここから町田は、日本代表のメンバーに継続して名を連ねるようになった。今年1月に行われたアジア杯にも参戦し、日本代表でその地位を確固たるものにしつつある。ベルギーで2年半にわたって戦ってきたことで自信が増し、日本代表での心の持ち方にも変化が生まれていると、町田は話す。
「代表に呼ばれたての頃と比べたら、だいぶ変わってきたと思います。サンジロワーズでカップ戦のタイトルを獲得したり、ヨーロッパリーグやカンファレンスリーグを経験したりして、僕自身の経験値が上がっている。
同時に、代表での序列も完全なサブ組から1.5軍というところまで上がってきました。
最初はサブ組でしたが、招集を重ねるごとに監督やコーチ、選手たちからの信頼が少しずつ高まってきた印象はあります。あとは、しっかり自分の立ち位置を確立することが次のステップになるかなと。
今後は、引っ張ってもらっていた立場から、引っ張っていく立場になってくるかと思う。W杯最終予選の中で、立ち位置は変わってくるかなと考えています」
町田浩樹(まちだ・こうき)プロフィール 1997年8月25日、茨城県生まれ。190センチ、80キロ。ポジションはセンターバック(CB)。長身を生かした空中戦の強さと、精度の高い左足のキックに定評がある。ジュニアユース時代から地元クラブの鹿島アントラーズの下部組織で育ち、2016年にトップ昇格。翌年、Jリーグデビューしたが、直後に全治6か月の大ケガを負う。復帰後、2019年シーズンはリーグ22試合に出場。2018年7月28日のガンバ大阪戦では、プロ入り初得点を決めた。2022年1月、ベルギー1部ロイヤル・ユニオン・サン=ジロワーズへ1年半の期限付き移籍を発表。2月13日のシント=トロイデン戦で先発デビュー。その後、負傷で試合に出られない日々が続くも、2023年1月に復帰し、3月には同クラブへの完全移籍を発表。翌4月には、早稲田大学人間科学部を卒業したことを発表した。同5月9日、クロッキーカップ決勝で、ロイヤル・アントワープFC相手に決勝ゴールを挙げ、クラブを110年ぶりの優勝に導いた。日本代表としては、2016年、AFC U-19選手権のメンバーに選出され、準決勝のベトナム戦で初先発。2019年、AFC U-23選手権タイ2020予選に挑むU-22日本代表メンバーに選出され、世代別代表に復帰。その後、2021年の東京オリンピックでは、1試合に出場。2023年3月、キリンチャレンジカップ2023にA代表として初招集され、同年9月のトルコ代表との国際親善試合に先発出場。A代表デビューを果たした。今年6月、結婚を発表。また、サッカー少年たちを支援するプロジェクトにも携わっている。