【J2仙台・森山佳郎監督インタビュー(6)】同じ育成出身の町田・黒田剛監督が成功している理由とは――森山監督が実感する“クラブチームで求められる幅広い指導力”の画像
右:ベガルタ仙台の森山佳郎監督、左:町田ゼルビアの黒田剛監督  撮影:中地拓也

 ベガルタ仙台の森山佳郎監督、横浜FCの四方田修平監督、アルビレックス新潟の松橋力蔵監督と、育成年代でコーチとしてのノウハウを身に着けてきた指揮官の奮闘が目立つ2024年Jリーグ。中でも、頭抜けた成果を残しているのが、J1トップを走る町田ゼルビアの黒田剛監督だ。

 ご存じの通り、黒田監督は2022年末まで青森山田高校監督を30年近く務め、柴崎岳(鹿島)や松木玖生(ギョズテペ)らタレントを育て上げてきた。高校サッカーの指導者がここまでの成功を収めるというのは紛れもなく大きなサプライズと言っていい。

 だが、ユース年代で黒田監督とも何度も対戦し、切磋琢磨してきた森山監督にしてみれば、特に驚きはないようだ。

「黒田さんは何十年も監督として試合をこなしてきた指導者。高円宮杯プレミアリーグU-18、高校総体、高校選手権、フェスティバル、海外遠征など年間100試合はゆうに超えていると思いますし、プロのトップチームの監督やコーチに比べても、こなしてきた試合の数が全く違います。

 その中でいろんな出来事に直面したでしょうし、そのたびに対処法を考えたはず。選手も毎年違いますから、いろんなタイプを見ながらどんな声掛けをしてきたらいいか、どう組み合わせたらいいかを模索し、最適解を見出してきたはずです。

 その積み重ねは物凄く大きい。監督としてのキャリアは育成・トップというカテゴリーは関係ないと思います。ただ、育成指導者の方がよりメンタル面や人間的な部分に働き掛けないといけないのは確か。その経験値も今に生きているはずです」と彼は自分自身と重ね合わせるところが少なくないようだ。

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